脱水症状とは、体内の水分量と塩分量からなる体液が不足したときに体に表れるさまざまな不調のことです。体液は、体内に酸素や栄養素を運んだり、尿や汗として老廃物の排出、汗をかいて体温を調節するといった役割を担っています。通常は体内に入ってくる量と体外に出ていく量は一定に保たれていますが、多量に汗をかいたり水分の摂取不足などで量が不足するとバランスを崩してしまいます。体液がうまく働けなくなることが、脱水症状の原因です。症状のあらわれ方は、程度によって異なります。めまいや悪心といった軽度のものから、頭痛やだるさに嘔吐といった中等度の症状、悪化して重度になると血圧や臓器の血流低下、意識障害や痙攣といった重篤な症状がおきショック状態となるので注意が必要です。
脱水症を予防するには、こまめな水分補給が基本です。日本人の日常生活における飲料からの適正な水分摂取量は年齢や性別によって若干の違いはありますが、成人で1.5L程度といわれています。汗をたくさんかいたり下痢などをして水分を多く失った場合、すでに脱水症状が起きている場合は、その分の水分を補う必要があります。ただし、補給する際は、水分だけでなく塩分も摂取することが重要です。一度に大量の水を摂取すると、体内のバランスが崩れて体調不良を引き起こすことがあります。水分だけでなく塩分も同時に摂取できる経口補水液やスポーツドリンクは、手軽で人気です。緑茶やウーロン茶、コーヒーなどに含まれるカフェインは利尿作用があるため飲みすぎないように注意しましょう。また、毎日の食事からも、飲料とは別に約1Lの水分を摂取することが可能です。食事をきちんととった上で、こまめな水分補給を心がけましょう。